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くろぎ@湯島 [食べる]

予約して訪問するまでの間に店名や価格も変わって星までついたのである。


最終戦、ロスタイムにヨネのミドルで追いつく、なんだかなあの試合。セレモニー中は静かにしていたから社長さんとお話しようの会が開催。ゴール裏にいたんだけど話は聞こえないわ、質問が長いわで予約の時間に間に合わなくなるので撤収。ぐだぐだである。


予約時には2回転目の遅い時間の予約に決まっていたのだが、一週間程前に連絡が来て5時からに変更してもらえた。その電話がかかってきたときに、変更になった店名を言われてぴんとこず、上野の和食屋さんでしたっけ、と聞き返したら、湯島です、とぴしっと返される。すんまへん。上野じゃなくて湯島です。

御徒町駅を出て夜には猥雑さも感じさせる通りを西へ進んでドンキを過ぎたところの角を折れて入ったところ。店名が表示してないので注意である。部屋は2階の個室。掘り炬燵式ではないが高さのある座椅子なので座りやすい。テーブルの上には塗の角盆(輪島塗?)の上に箸、ナプキンと折りたたんで名刺大のおしながきがセットされている。何もリクエストしなければ自動的にメニューは決まるらしい。


きれいな泡立ちの生ビールをグラスで 

山形の酒(銘柄失念)をぬる燗で
春鹿を冷で

先付
夫婦松葉蟹盛り合わせ 三杯酢 岩手産 甲羅酒
焼き胡麻豆腐 山葵
京小松菜 京蓮草 油揚げのお浸し

凌ぎ
棒寿司(松輪の鯖) ばちこ ゆべし 自家製からすみ

お椀
蔵王鴨みぞれ椀 豆腐 九条葱 京人参

お造り
大間鮪 烏賊 虎河豚(下関)あん肝ポン酢 妻もの色々 辛味大根

焼き物
岩手産寒鰤塩焼き

煮物
聖護院かぶら餡かけ 京菊菜 振り柚子

香の物 丹波京漬物盛り合わせ 自家製カブ すぐき

食事
牡蠣御飯

止碗
蟹味噌汁 なめこ 九条葱

甘味
葛切り カラメルソースのような黒蜜

ほうじ茶
最後は煎茶


時期として松葉蟹は外せないんでしょうな。茹でなので上品な味であるが雄の脚の方はいささか味がうすい。蒸したほうがいいんじゃないかなと思う。胡麻豆腐は揚げることでねっとりとゴマの味が濃縮している。

凌ぎはほとんど懐石の八寸のような酒のつまみ状態。鯖は締め方は弱めではあるがよく脂がのっている。おみやげで一本持ち帰りたいぐらいである。ゆべしは赤味噌を使ったもので色がほとんど黒に近い。ちょっと微妙かな。自家製のからすみは中心部はちょっと生っぽくって面白い。塩も良い加減に効いていて薄切りの大根と一緒に口にするとよい酒の肴である。ああ、酒が進む。桜の皮を貼った木の器で紅葉した葉を敷いてあり季節を感じさせる。盛り付けはやや窮屈かな。

燗酒はガラスの器に下に固形燃料を燃やした状態で出てくるのだが、飲みきったあとに火を消すと固形燃料の臭いが出るので注意。

椀はちょっとした小鍋という感じか。脂でコクを出してある。京人参はここが包丁の冴えの見せどころというくらい見事に細く切ってある。ただその分食感が頼りないかな。器は楓と桜の蒔絵。

造りの烏賊は細かく包丁を入れてあり、今までこんなねっとりしたのは食べたことがないというくらい凄い味わいである。鮪は中トロと赤身。赤身はもちょっと熟成させてみてもいいかな。ふぐは下関から。脂はさほど感じなかったので天然なのかなあ。あんぎもはそのまんま食べれば酒の肴。器は白い鶴の器で面白いが、盛り付けがやや窮屈。

寒鰤はまだもちょっと早いかな。塩味であっさりめ。半分に切られて添えてあるすだち綺麗に種をとってある丁寧な仕事。はレンコンのきんぴらが酒の肴にいいわあ。器は乾山。これ以外にも乾山がいくつかあり。

冷酒のグラスは下にしゅっと絞られた形で桜の花びら模様に色ガラスを載せてある作家物とのこと。きれいな器である。

煮物は聖護院かぶら。割と味が濃い。ずいぶん味が強いので聞いてみたが昆布は利尻とのこと。

牡蠣御飯の牡蠣は炊き込み用と上に載せるのと2種類。つけ焼きのたれはもちょっと薄くてもいいんじゃないかと。

香の物はすぐきが発酵した味と酸味のバランスが良く取れていてうまかった。今まで食べたすぐきの中では一番好みだ。

葛切りの黒蜜は甘さは控えめでちょっとカラメルのような味のする蜜でおもしろい。


最初の方にインパクトを持ってきてあっさり目で締めて牡蠣ご飯で止めという構成なのかな。味つけは全体的に強め。関東だとしょうがないのかな。多分調理人の年齢もこういう所には出てくるんだろうと思う。今後10年20年でどういうふうに枯れていくかは常連さんの楽しみであろう。個人的にはもっとだしの旨みを強めに出してもらったほうがいいかなと。最初の椀はもっとあっさりと最後の煮物に肉と脂(治部煮のようなの)を持ってくる構成はどうなんですかね。とはいえ、この値段でこの構成と味なら十分で予約が殺到して星がつくというのもよくわかる。


この店は牛肉を出すとのことだったので楽しみにはしていたのだが、今回は出ず。やはり事前にリクエストしておくべきなんだろう。ご主人が挨拶に来られたときに肉のことを聞いてみたが、宮崎牛のヒレを使っておられるとのこと。出すときには脂を落とすように焼いて出すとのことなので、中勢以のお肉を使ってみてくださいと(別に回し者ではないのだが)おねだりをしてみる。下に降りて早速調べられたようで、帰り際に早速試してみたいと言っておられた。そのうちメニューに上がってくるかもしれませんな。ご主人はまだ若いが勉強熱心なようでこれからも楽しみである。


ちなみに、欄干に相当するする部分の源氏香の香の図模様は奥から

27帖篝火
8帖花宴 裏は21帖少女
18帖松風 裏は5帖若紫

ではなかろうかと推測されまする。元々は置屋さんで三味線のお師匠さんが住まわれていたお宅を改装されて使っておられるそうで、この造作は元々あった物とのことである。花宴、松風は置屋さんとしてはわかる気がするが、篝火はわからん。表裏があり、裏が乙女、若紫というのは意味深なのか。いやらしい質問してすんません。京都あたりだと、こんな水を向けると年季の入った女将が物知らずのお上りさんを教育したるわとの感じで、とくとくともう勘弁して下さいというくらい説明してくれそうではある。こちらがあっさりしててよかった。





奇跡の残留でぼっとして補強を怠り降格、そして1年での昇格失敗。これだけで十分に首を取るに値する、と思う。天下りであっても任期満了まえに経営責任を問われるという前例を残すべきである。


くろぎ
東京都文京区湯島3-35-1 03-5846-3510
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