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リストランテ・フェニーチェ・ディ・アクアパッツァ (Ristorante Fenice di ACQUA PAZZA)@指宿 [食べる]

長い名前だなあ。なんでここにアクアパッツァの支店があるのか不思議なんだが。

昨年オープンした白水館敷地内の薩摩伝承館をざっくりと見るてからの昼食。この時は宿泊客は1500円が1000円になる。また音声ガイドは無料で貸してくれる。ちゃんと見るには2時間くらいが必要。建物は一見の価値有り。平等院風味の展示棟とその横にある受付、レストラン棟に別れる。建物の回りは水がたたえられており、国博や佐川美術館と似ている。施行が竹中なので佐川の方とより似てはいる。同じ竹中なのでぱくりとはいわんか。佐川の建物としての照明は面白いが、展示物の照明はここの方が圧倒的に良い。特に2階の中国陶器のコレクションはLEDを使った照明を含めて見る価値がある。プライベートな美術館(博物館?)としては素晴らしいのではないかと思う。誠之助センセも来たらしいです。ただし、白薩摩に関しては沈壽官の方がいいと思う。

さて、レストランである。ここも建物がいいし内装や装飾もいい。都内にあればグランメゾン級の風格をもっているのではないだろうか(あくまでも昼の印象)。こんなレストランが南国この地にあるとは思いもよらないだろう。本店の手がどれだけ入っているのかは知らん。

メニューは値段指定でお任せ。予約の際に希望したのは、季節の地の物を使って欲しいという事だけ。
カトラリーはsambonet Italy anticor、グラス類はSCHOTT。シャンパングラスはグラスの底から継続的に泡が立ち上る様に細工してあるようである。

この天気ならまずは泡だな。選択肢はイマイチかな。
Barone Pizzini Franciacorta Brut

さすがに人数がいるとボトルもあっさりと空になるなあ。

次は赤をボトルで
Barocco V.O.P.R.D. Cerasuolo di Vittoria  2002
シチリア産、アヴィデ社、ネロ・ダヴォラ40% フラッパート60%、チェラズオロ・ディ・ヴィットリアD.O.C
定温発酵後フレンチオークで約8ヶ月、その後瓶熟成で18-24ヶ月間の発酵
室温になってからの素晴らしい芳香、味はそれに比べるとちと負ける。でもとてもいいワインだと思う。値付けは2がけちょいぐらいか。結構良心的。本店の仕入れルートを使えるメリットかも。

前菜盛り合わせ
鹿児島黒豚の生ハム(埼玉製)と無花果
マグロのあぶり焼き部りーんマスタードソース
グリーンピースの冷製スープ

バーニャカウダ

サザエの香草バター焼き
魚介のトマトソースのパスタ
錦江湾の鯛の軽い煮込み
和牛のロースト
ドルチェ 指宿産パッションフルーツ チョコレートケーキ ヨーグルトのジェラート

プチフール 抹茶入のメレンゲの焼き菓子(ロッシェ?) ボンタンのカステラ?

コーヒーとかエスプレッソとか

前菜は無花果がねっとりとしていてよかった。その辺はさすが。生ハムはどちらかというとスペインの物に近いが味わいはイマイチ。熟成が足りないのか、技術不足なのか、ドングリ不足なのか。まぐろももちっと時間をかけたものの方が旨味が増すとは思うが、ま、前菜だからこれはこれでいいか。火入れの加減は良かったし。

バーニャカウダは野菜の力がイマイチ。オクラは筋っぽくて食べきれない。もっと素材を選びましょう。近くのちゃんとやっている農家を回ってみたらどうでしょうか。

サザエはエスカルゴ風という事かな。バターがいまいちかもしれない。パスタのスカンピはニュージーランド産だそうだ。指宿でニュージーランド産のスカンピを食うとは思わんかったなあ。流通の発達した現在では、下手に地場の海老を使うよりコストが低いんだろうか。ま、無難な一品。流通の問題でコンスタントには手に入らないかもしらんが、地元の海老系とかじゃ無理なんですかねえ。

鯛はゴーヤ、ツルムラサキ、紫タマネギ?などと軽く煮込んであって、全体の中で一番郷土色を感じさせる一品かな。あっさりしていて良かったとは思うのだが、鯛にもう少し強さがあればと。

和牛のローストは特に産地も説明せずに拍子抜け。最後の締めがこれかあ。持ってくるなら黒豚なんじゃないの?という感じ。なんだかな。

デザートはパッションフルーツがちょびっと郷土色を主張。他のも含めてなかなかいいです。

プチフールの抹茶は凄く抹茶で大変いい。ウソでもいいから知覧茶を使いましたとでも言っておきなさい。(ウソはまずいか)ボンタンのも良く果実味香がありとても良い。たべん、今日の料理の中ではプチフールが一番良かったかもしれない。


どのような経緯でここにこの店ができたのかは知らない。方向性として都会のイタリアンを目指す必要性は全くないであろう。それよりももっと地元の食材を使った地方色の豊かな料理を展開した方が意義深いと思う。ひとつには、この地方は地理的、気候的に潜在的なアドバンテージを持つにもかかわらず、食材がレストランユーズに耐えられる程のクオリティーにはまだ及ばないと思える。従って、このようなレストランで喜んで使用してもらえる様な食材を供給できる体制を回りの地域と協力して作り上げていく必要があると思われる。それを実際にだれがやるのかという問題はあるのではあるが、考えられるのはシェフがマニアックに情熱を燃やすか、あるいは白水館の仕入れ担当や、一番いいのは社長だけどな。いろんな食材を使ってチャレンジしてみたらどうでしょうか。一回奥田シェフの所にも行ってみたらいいですよ。(間違えても銀座の方じゃなくて、庄内の方ね)


接客は白水館側の方で担当しているんだろうか、いかにもホテル系の接客。しょうがないとはいえ、客もそれほど多くはないのに、今ひとつ目配りがたらんし、気が利かんね。


方向間違えてなんちゃってイタリアンにだけはならないで欲しいなあ。出来れば、このレストランで宿泊客が呼べる様になって欲しいもんだが。


リストランテ・フェニーチェ・ディ・アクアパッツァ (Ristorante Fenice di ACQUA PAZZA)
鹿児島県指宿市東方12131-4 指宿白水館 薩摩伝承館内 0993-23-0214
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