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akordu (アコルドゥ)@奈良 [食べる]

八条口で荷物をデリバリーに頼んで、奈良へ。う〜む、店は富雄にあるんだから近鉄でいくのが正解だった。
駅の北側を線路に沿って下っていくと右手に花屋が見えるのでそこの横が目的の店への入り口であった。おお、なんと立派な洋館であることか。
アプローチを通ってエントランスへ入ると、いきなり、予約で一杯、、、、と言いかけるので、予約のある旨を告げる。のっけから、サービスはやれやれである。予約の時の対応は丁寧すぎるくらいだったのになあ。
内部は一体どのような構造になっているのか知らんが、メインダイニングの横にはパーテションされた区域があり、外には建物と比べるとちょっと安っぽい天井のテラス席がある。なおかつ2階(中2階?)には個室もあるようである。メインダイニイングは天井が高くて気持ちがいいが、回っている羽根が安っぽい上に回転数が早すぎて落ち着かない。ないほうがいいのではと思う。ちなみに女性トイレが大変素晴らしいとの報告を受けて、男子トイレに行ったら普通だったのでしょぼんである。

席には案内されると、テーブル中央には針金で造ったオブジェ、パン皿の上には本日のakorduのメニューが乗っており、それを読みつつ待てども、飲み物の注文を取りにこないんだよ。忙しいならわかるんだが、少なくとも2、3人はやる事無く突っ立っているんだよ。結局呼ぶまで来なかった。食前酒の説明もちゃんとできないし、ちょっと酷い。

グラスで泡 (CAVA CODORNIU METODO TRADICIONAL)
赤をボトルでローヌの2006(シラー種、銘柄はメモを忘れた)

豆乳のアホ・ブランコ ビネガーとペドロとヒメネスのゼリー
スペイン産 芋のトルティージャ2009 菊芋とトリュフ

シリア、オーストラリア?のオイル ハモンイベリコの塩

白インゲン豆と北海道産大あさり(実は本日は三重県産)のファバータ
キンメのアサード 大豆の甘い印象
豚足と仔牛テールのリゾット
仔羊背肉の低温炭火ロースト 葉緑素と若いニンニクの葉のエッセンス ハシバミとソレル
様々なベリー 生とゼラチン ライムとユーカリ風味
シープミルクのジェラート その草原のインフシオン

チョコレートまみれのピスタチオ

ハーブティー
コーヒー
エスプレッソ


写真


泡は甘さ控えめで適度な酸味。まあまあかな。赤はシラー種らしい香りで割としっかりしている。残念だったのはだいぶ低温でストックしてあるようで、冷え過ぎで飲み終わる最後の所まで冷えたままだった。日本では赤でも冷やし目がいいとはいうけど、明らかに冷やし過ぎ。途中からグラスに注がれた後に手で暖めてみて変化を見てみたりしたのでした。それからワインにはスペイン産のものが見当たらなかったんだけど、いいのかモダンスパニッシュとはいえ、一応スペイン料理なのに、と思ったりもしたのであった。

以上、諸々の瑕はあるが料理は秀逸。豆乳のはいわばくみ上げ豆腐でそれにオイル、塩、と酸味と甘みのゼリーが添えてある。一さじ毎に味の変化が口中で感じられて大変面白い。トルティージャは代表的なスペイン料理だけど、こののはちと違う。芋は固めに茹でた菊芋を卵はサクラマス?の卵を塩漬けしたものをそのまま合わせてあり、下には卵黄が流してある。卵と相性のいいトリフが入っていたけど、香りはいまいち。ハマボウフウが添えてあるのは、蕎麦屋の出汁巻卵に添えてあるからか?見事な要素の分解と再構成である。白インゲン豆は奇麗に形を残したまま口に入れると溶けてしまう程に柔らかく味をしみ込ませてあり、面白い。あさりはメニューには北海道産と記してあったが、本日は三重県産。三重県産のあさりの良さはわかっているので、ちゃんと書き直しておいて欲しかった。キンメはふっくらとした感じに火を入れられた筋目をエスプーマ仕立てのソースが覆っている。大豆の甘い印象とと言うのはそのソースに西行味噌が使ってあるという事なのである。これは西行焼きを分解、再構成したものと考えていいのかな。面白い。リゾットは豚と牛の臭いがぎりぎりの所で成立している。人によっては癖があると敬遠するかも。米には良く味をしみ込ませてはあったが、茹で過ぎ。もっとアルデンテの方がいいと思う。スプーンを冷やした状態で持ってきて、冷と暑を感じて下さいとの事だったけど、別に普通の温度でいいんじゃなかろうか。感性低くてすんません。仔羊は炭火で低温ロースとなんてどんな風になって出てくるんだろうと楽しみにしていたが確かに中心部はちゃんと火の通った生っぽさであった。また肉汁がほとんど出なかったのは、出てきた時の温度からして十分に休ませてあったのだろうか。意図的、それとも偶然?葉緑素が草っぽくていいアクセント。ベリーはユーカリの香りが鮮烈。シープミルクはジェラートもいいけど、牧草のお茶?がいいねえ。

かくのごとく料理は素晴らしく、料理という名の才能を食べさせてもらいました。相方さんの印象としては、名前や技法は西洋のものでも、香草等の繊細な使い方はきわめて日本的な料理だという事らしい。いわれてみれば、ある種の西洋料理の様な押し付けがましさとは別の繊細さは、そのディスプレイとともに確かに日本料理のそれに本質的には近いと思う。まあ、細かい事はいいから、とにかく食べてみなはれ。

女性誌で宣伝されてマダムランチで繁盛するのもいいんだけど、キッチリ食べる食べ手が必要だと思う。FUJIYAもいいけど、京都、大阪から通って下さい、関西の方々。


星を取るのかな?フランスワインで揃えているし、料理は星をとってもいいと思うけど、サービスは改善の要大なりである。特に飲み物系をきちんと把握できるメートルを最低一人は置くべきだと思う。シェフがすべてを統括したいのかなという雰囲気は感じるけど、現実的にうまくオーガナイズされていないと感じるので改善は絶対必要。


akordu (アコルドゥ)
奈良県奈良市富雄北1-1-1 0742-43-0222
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